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『二中健児の塔慰霊祭(令和2年)』
誓いの言葉
『75年前の今日、この沖縄の地は、鉄と火薬の臭いに溢れ、山々は欠け、水は濁り、空からは鉄の雨が降っていた。』
那覇高校校歌その一番にもあるように私たち沖縄の学生はそう何度も教えられてきました。
那覇高校はこの「慰霊の日」が近づく度に毎年、「平和学習」が行われます。
私が入学して最初の平和学習では、私たちの通うこの学び舎が沖縄戦を生き抜き、平和への渇望を抱いた多くの人々、そして先輩方が協力し、支え合って始まった歴史あるものだと知り、そこで学べているという大きな感動と確かな誇りを感じることが出来ました。
しかし同時に、沖縄戦という大きな過ちを、単なる過去の出来事のように“知っている”だけだった自分に隔たりを感じ、今を生きる私たち学生は、この「慰霊の日」という特別な日をどのように受け止めていくべきなのか、そう考えるきっかけになりました。
学校に行けて、部活ができて、ご飯が食べられる。それが当たり前になった現代は、ある程度の平穏があります。しかし、その背景には沖縄戦という歴史から立ち上がり、奮闘してきた人々がいます。故に、今のこの平穏を「恒久の平和」へと繋げることが現代を生きる私たちへの課題であることを忘れてはいけません。普段通る道や、通う学校、訪れる沖縄の地それぞれに、沖縄戦の戦場であった歴史がある。そのことを日常の中で感じながら、過去の問題から平和について考えること。それが平和への希求となり、人類普遍の願いである、「恒久の平和」へ繋がるはずです。
そして、沖縄の基地問題や昨今の新型コロナウィルス、でのSNS誹謗中傷、人種差別、イジメ問題など。沖縄戦から75年たった今の世の中にも、大小を問わず様々な問題が溢れています。それらの問題に関心を持ち続け、解決のための考えや意見を探し続けていくことが、次世代を担う私達の、先人に誓うべき姿勢ではないでしょうか。
全ての世代が、その世代の次の世代、次の時代に繋がる重要な存在であることを自覚し、自らの言動の是非を常に問い続けながら、平和への考えを深めていくこと。それが「慰霊の日」に課せられた、沖縄そして県内外へと発信すべき、全人類への課題であると思います。
最後に二中健児の塔に祀られている196名の御霊のご冥福をお祈りすると共に、後世へと沖縄戦の歴史を語り継いでいきながらこれからも平和を希求し続けることを誓い、誓いの言葉とさせていただきます。
令和2年6月23日 生徒代表 遠藤義宗
▼遠藤 義宗生徒会長による力強い誓いの言葉
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