あなたは手作り弁当派、買い弁当派、それとも外食派ですか。それぞれに利点はあると思いますが、私は手作り弁当を結婚以来三十二年作り続けています。
その理由は栄養のバランスです。昨今沖縄の脂肪摂取の多さが問題視され、生活習慣病や長寿に警鐘が鳴らされています。買い弁当、外食はどうしても高脂肪、高たんぱく、野菜不足になりがちです。
「晴れと褻(け)」という言葉があります。晴れがましい、公式なことなどの晴れに対し、褻は日常的なこと、普段といういうことです。現在の生活は晴れがとても多くなりました。日々の昼食は晴れではなく褻であることを忘れてはいけないと思います。手作り弁当は一日のトータルな栄養バランスを考慮して食生活をコントロールできるよさがあります。
そうはいっても一歩外に出れば手軽に食べられ、時間を効率良く使えるのにと考えておられませんか。健康を守ること以上に大切なものって何でしょう。今、食事作りに時間を割くことは、先々の健康な生活へとつながるのではないでしょうか。
朝食、弁当、夕食と一連の食事作りをすると、無駄なく手軽に弁当が作れるようになると思います。作るか作らないかは、気持ちの問題が大きいと思います。受動的でなく能動的に弁当作りを考えれば、時間は生み出せるものではないかと思います。ある著名な女性裁判官が多忙にもかかわらず、現役時代から定年後の現在まで、毎日弁当を作っているという例もあります。
もう一つ、環境問題です。毎日弁当のプラスチック容器がたくさんごみとして捨てられています。マイ弁当箱でごみを少なくし次の世代へ、きれいな地球を届けませんか。
安次富 順子
- 那覇高15期卒。
- 沖縄の食文化研究家
- 沖縄調理師専門学校(副校長)
- 王朝菓子、冊封使料理の再現。ブクブクー茶の再現と普及活動。著書に『ブクブクー茶』など。